「新脳針」療法について
「新脳針」は頭皮に鍼を刺し、0.7mAの超微弱電流を注入し、神経
共鳴反応による脳の神経ネットワークを広げる可能性があります。
「すべての不調の原因は脳にある」という考えを基に、私たちは長い年月をかけ深く研究を進め、脳に地図を描き、活性区・安定区・意思区・創造区・言語区・視覚区・・・などと命名し、それぞれの原因に沿った療法を考案し、成果を上げてきました。
この研究は、1985年には国際針灸医学会で発表し、参加した多くの医学者から絶賛を浴び、ついに「新脳針」という当院独自の療法を確立させたのです。
「私たちは、難病や発達障害の原因とされる根本は、
“脳”にあると考えます。」
脳に張り巡らされたネットワークには、さまざまな神経の部屋があり、各部屋はそれぞれが分業されて必要な役割をするようになっています。この神経ネットワークの一部に欠陥があったり、脳自体が年を取ったり、ある原因から病気になると、脳は萎縮してその情報のネットワークが乏しくなり、神経伝達が弱くなります。
このいろいろと分業されている神経が密に繋がらないと、その機能に対した役割を果たす必要な神経伝達物質が出にくくなるのです。
「新脳針」とは
「新脳針」は、頭部にある特殊なツボへ針を打ち、低周波の微弱な電流を流すことによって、身体に情報を流します。流す電流は0.7mAの超微弱電流の針刺激です。これはEA(エレクトリックアキュパンクチャー)と言い、脳のシナプス電動の神経ネットワークの拡大、神経伝達物質の分泌を促し、脳を元気な状態にすることを目的としています。
一般的には「新脳針」という言葉から脳に直接針を刺すものとイメージされる方がいらしゃいます。実際に、よく「脳に鍼を刺して大丈夫ですか?」と聞かれますが、「頭蓋骨がありますから脳に鍼は刺さりませんよ」ときちんとご説明します。
わかりやすいイメージとしては、頭皮には多くのツボがあり、そこに鍼を刺して電気を流すと、その刺激が脳に伝わり神経が繋がっていくということです。
脳と刺激について
「新脳針」をよりご理解いただくために、脳の部位と機能の関係を簡単にご説明します。
脳の部位にはそれぞれに役割があります。
前頭葉
主に運動にかかわる中枢で、運動コントロール、言葉の流暢さ、反応への順応性、系列の計画、言葉の調整、直後記憶、問題解決、言語表出、人格、社会的言動を司っています。
側頭葉
聴覚や言語に関係する中枢で、性行動、経験に基づく行動、聴覚、嗅覚、書字、言語理解、言語知覚、音楽能力、三次の視覚機能、感覚情報の統合、長期記憶、対連合、顔の認知などを司っています。
頭頂葉
感覚と関係する中枢で、身体感覚、身体内感覚、物の視覚認知、意図的行動、構成能力、読み、発語の知覚、空間定位、左右弁別、計算、感覚情報の統合を司っています。
後頭葉
葉視覚に関する中枢で、視知覚、読み、一次視覚を司っています。
「ニューロン」は古い脳から新しい脳へ伸びていく!
脳が受け取る刺激には、外部刺激と感覚刺激(視覚・聴覚・触覚・前庭覚・固有覚)があります。これらの刺激は脳に伝わり、その指令が身体の各部に伝わっていきます。
また、脳は大きく分けて、新しい脳と古い脳があります。いわゆる古い脳から新しい脳へ情報が繋がるイメージは、イソギンチャクのような形状をした神経線維のニューロンが橋渡しをします。
ニューロンは電気刺激を軸索に沿って伝導することにより興奮します。そして、電気信号が軸索終末に到達すると「シナプス小胞」から神経伝達物質が放出され、隣接するニューロンの受容体分子と結合します。この連鎖伝導がなされ神経ネットワークが広がっていきます。
「シナプス」とは神経情報を出力する側と入力される側の間に発達した情報伝達のための接触構造で、記憶や学習に重要な役割を持つと考えられています。
弱った脳の神経細胞を活性化する「新脳針」
「新脳針」の目的
こと ダメージを受けていない元気な脳神経をさらに活発にさせ、ダメージ
を受けた部分の代償作用として働きかけること

「新脳針」の長所
副作用がない子どもに鍼施術をうけさせるのは怖いと思われる親御さんも多いと思いますが、注射針のような大きな針ではなく、ごく細い針を使用し、痛みを伴うものではありません。また、「新脳針」は脳の神経細胞を活性化させるため、発達遅滞のお子さんの成長を促すことが期待できるのです。副作用がないことも大きな長所といえるでしょう。
「新脳針」の具体的な仕組み
「神経伝達物質」であるさまざまなホルモンを増量させ、シナプスの結合を強くし、神経伝達を強化させること。「新脳針」の施術
「新脳針」での施術では、神経伝達の活性化のみならず、ホルモンバランスを整えたり、自律神経の働きを促進し、「交感神経」と「副交換神経」の働きを良くすることで、身体が本来持っている力を調整し強化させます。これによって今まで西洋医学では施術困難といわれてきた様々な難病や発達障害、慢性病にも効果を発揮するのです。
「脳内ホルモン」とは、心と身体を健全な状態に保つための神経伝達物質であり、脳や脊髄などの中枢神経系にある情報を司る化学物質の総称です。この「脳内ホルモン」の分泌量はつねに細密にコントロールされており、その微妙なバランスの崩れが脳神経細胞のシナプス結合を弱め、重要な神経細胞間の伝達を妨げることで様々な病気(難病・発達障害)に繋がっていると考えられています。

また、「新脳針」は、神経ネットワークの他の部分にバイパスを作るアプローチでもあります。ですから、脳が一部破壊されていても、ほかの部分がその機能を代用したり、カバーしようとする作用を促すのです。完全に修復させるのではなく、病気の進行を抑えたり、生活に不便がないよう機能を取り戻す効果が期待できます。
患者さんの主観ですが、とても手が動かしやすくなったとか、モノを取りやすくなった、足の運びが良くなったなどのうれしい報告を数多くいただいています。
頭部には経絡の重要なツボが実にたくさんあることが知られています。脳波の届くエリアに応じた場所を狙って針を打って刺激を与え、出来る限り神経ネットワークを繋げていくことが、「新脳針」なのです。
「新脳針」は商標登録されています。(登録商標第3356963号)
難病への取り組みについて
「新脳針」の技術が各国でも注目
ニューヨーク大学との医学交流に成功!
1994年に、前田昌司会長・前田為康院長がニューヨーク大学を訪れました。マンハッタンの中央にあるこの大学は世界でもトップクラスの医学教育校とされています。エミール・フランセン教授ら8名が出迎えてくださり、バァリー・レイズバーグ教授やリドウィン・ソーレン先生も出席して、数時間のディスカッションを行い、また実技を交えた老年性痴呆症を中心とする「アルツハイマー病の新脳針」についてお話させて頂き、医学交流を行うようになりました。
1996年9月17日(火)に読売アメリカ社の立ち会いのもと、ニューヨークにて医学交流の調印式が行われました。その内容は、「前田中国医学研究院とニューヨーク大学メディカルセンターは世界平和のために互いに情報を交換し、医学研究を続け、人類の幸福のために貢献しましょう。」という意味の覚書(メモランダム)に互いに署名し交換しました。
数多くの日中友好病院との医学交流をたくさん行ってます!
前田中国医学研究院と友好条約を結んでいる医学交流病院の蘇州市中医病院とが、日中相互訪問して、任光榮病院院長と費国謹副委員長が来日しました。翌年当院から30名が集団で友好訪問。(日本の新聞にも紹介されました)
訪日団一行は、大東市の本院にて、難治性の患者さんを診察し、一週間の間、相互で研究討論して、大いに研究成果がありました。
日中友好病院との交流は蘇州市中医病院の他にも、北京広安門病院や上海中医薬大学、南京中医医院などたくさんの病院と交流を図っています。