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あなたはパーキンソン病患者さんが日々、このような恐怖と向き合っている事実をご存知ですか?

第2回本院スタッフインタビュー:高橋 愛美先生

あなたはパーキンソン病患者さんが

日々、このような恐怖と向き合っている事実をご存知ですか?

 

「ん・・・?」

「あれぇ・・・ もしかしたら!」

あたりをキョロキョロと見渡して、時計を探し、パッと時間を確認すれば・・・

「あっ、もうこんな時間!」

「早く薬を飲まないと!」

薬の効果が切れてきて、自分の身体がだんだんと思うように動かなくなる・・・。

 

「もし、こんな時に転倒してしまったら・・・」、

「もし、こんな時に地震が起きたら・・・」、

「もし、こんな時にトイレに行きたくなったら・・・」。

 

「多くのパーキンソン病患者さんは、薬の効き具合を自覚していて、常に効果が切れる不安と動けなくなる恐怖に向き合っています。」

そんな話を語ってくれたのは、本院、鍼灸師の髙橋 愛美先生です。今回は、パーキンソン病患者さんについて、豊富な施術経験をもとにインタビューさせて頂きました。

裏戸:「高橋先生、今日はよろしくお願いします。」

髙橋:「こちらこそお願いします。」

裏戸:「さっそくですが、高橋先生はパーキンソン病患者さんについて、どんな印象をお持ちですか?」

髙橋:「個人的な意見ですけど・・・ 家事にしろ、仕事にしろキッチリされている方が多い印象です。」

髙橋:「仕事の責任感から、あまり人に頼れない、任せる事ができない。嫌な事でも我慢して引き受けてしまっていたり・・・ 周りとの人間関係に気を使ってるなぁ・・・と感じる患者さんも多いです。」

裏戸:「いっぱいいっぱいなのに、無理して頑張ってしまう。」

髙橋:「そうそう、もっと肩のを力を抜いてもいいのになぁ…って」

 

髙橋:「体の面から言うと・・・ 動きの硬さが目立つ方が圧倒的に多いです。姿勢も前かがみで、薬が効いている時は比較的動けるんですけど・・・」

裏戸:「薬の効果がある時と無い時では、そんなに変わりますか?」

髙橋:「はい、全然違います。患者さん自身も薬の効き具合を自覚されている方がほとんどです。」

髙橋:「薬の効果が切れてくると、体が動かなくなる。その不安から次の薬を速く飲みたがる方が多いです。そうすると食事の間隔が速くなってしまい、生活リズムがドンドン前倒しになってしまいます。」

裏戸:「前倒し、前倒しで、薬の効果が切れる前に早く寝て、早朝から目覚めてしまう。」

裏戸:「そうすると、ご家族さんとの生活に、どうしてもズレが生まれてしまいますね。」

髙橋:「はい、それにパーキンソン病の特徴として、どうしても表情が乏しくなり、しゃべりづらさも出てきます。コミュニケーションが取りづらいことが、ご家族さんとの生活にズレを生じる原因かもしれませんね。」

 

裏戸:「パーキンソン病患者さんの施術でうまくいったエピソードがあれば、ぜひお願いします。」

高橋:「当院の新脳針治療を受けて頂くことで、顔が緩んで、お喋りがしやすくなったり、笑顔が戻ってきた患者さんもおられます。」

裏戸:「それはすごいですね。本人以上に、ご家族さんが喜ばれたんじゃないですか?」

高橋:「そうなんですよ、あの奥さんの笑顔は、今でも忘れられませんねぇ・・・。」

髙橋:「あとは・・・ 手の震えが軽減したり、夜中のトイレの回数が減った患者さんもおられます。首、肩回りの硬さが改善して、上を向けなかった患者さんが、『うがいができるようになったぁ!』と喜びの声を報告してくれたこともありました。」

髙橋:「難しいご病気なので、すべての症状を完全に無くすことは、できませんが、でも日々の生活を改善していく手助けはできる、と私は考えています。」

裏戸:「逆に、パーキンソン病患者さんの施術で、今、思えばもっとこうしておけば良かったなぁ・・・ ってことはありますか?」

髙橋:「そうですねぇ・・・ 以前は症状のことばかりに気が行きがちでした。手の震えを改善するなら、手を中心に治療して・・・といった感じで」

裏戸:「患者さんも、それを望みますもんね・・・。」

髙橋:「でも、それだけじゃダメかなぁ・・・って、今は感じています。」

髙橋:「その患者さんの生活や性格、バックボーンををしっかりと見極めた上で、局所を中心とした施術より、全身を診るように、総合的に診るようにしています。」

髙橋:「土台を、体のベースをしっかり整えることを意識して施術する方が、施術効果も高いですし、症状の緩和にもつながっています。」

裏戸:「症状だけでなく、体の基礎からしっかりと整えるのは、針治療の強みでもありますもんね。」

髙橋:「はい、困ったときには、いつでも手を差し伸べますし、頼って欲しいです。“ 駆け込み寺 ”みたいな感じでね (笑) 」

 

今回は鍼灸師、高橋 愛美先生にインタビューさせていただきました。

なかなか周りの人に気づいてもらえないところで、たくさんのストレスをパーキンソン病患者さんは、受けておられることも垣間見えたのではないでしょうか?

針治療を受けて頂くことで、お体をしっかり整え、緩解する症状もあります。

笑顔とより良い生活を取り戻すために当院をぜひ、ご利用ください。

 

動作改善法 担当:裏戸 雅行